ショパン
①ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 op.35『葬送』
②練習曲 op.25(全曲)
グリゴリー・ソコロフ(ピアノ)
録音:1992年11月10日パリ(ライヴ) ①
1995年6月13日サンクトペテルブルク(ライヴ) ②
完璧無比のテクニックと、聴くものの心をわしづかみにする驚異的な集中力で、根強いファンを持つソコロフのショパンです。ソコロフは、1966年、16歳という若さでチャイコフスキーコンクールに優勝、世間にその名を轟かせました。輝かしい経歴を持つにも関わらず彼の録音は、ドイツ・グラモフォンからのライヴが発売されるまでは極めて少なく、コンサート活動もあまり積極的には行っていません。それでも今なお人々の胸と耳に深い印象を与え続けているのです。ショパンの練習曲 op.25といえば、かの難曲「木枯らし」などピアニストにとってなかなかの難物ですが、ソコロフの「木枯らし」は聴く者に息をつく間も与えないほどパワフルかつ完璧。ソナタ第2番でも、天使のような軽やかさから重々しい葬送行進曲まで、変幻自在にその姿を変えながら、底に流れるただならぬ緊張感を常に感じさせる稀有な演奏です。
ソコロフは、近年では知られた存在になりましたが、長い間、幻のピアニストでした。彼を一言で言えば「凄いピアニスト!」です。スケールが大きく、足取りは非常に巨大です。と言っても、速い部分はそれなりに速く弾きます。テクニックも申し分有りませんし、ダイナミックレンジの広さも尋常ではありません。フォルテシモの打鍵の強さと繊細なピアニシモのどちらもが凄いです。表情づけは極めて豊かで、テンポ・ルバートを駆使した歌いまわしの大きさには驚かせられます。第3楽章での、葬礼の列が遠くから足取り重く、少しづつ近づいて来る表現や、低音を鐘のように響かせるのも面白いですし、アイディアが実に豊かです。
ショパンの練習曲といえばポリーニの超名演盤がまず思い浮かびますが、ソコロフの演奏はこの曲集の別の一面を描き出していて、とても感動的だ。ポリーニの演奏は完璧の極致にあるが、ソコロフの演奏には完璧なテクニックに加えて人間の体温を感じます。ポリーニ盤が機械的で冷たいわけではないのに、ソコロフ盤には温かみを感じます。
輸入盤【廃盤】盤面傷無し13
*まとめ買い値引きします(要事前コメント)
追加1点に付き各150円引き
カテゴリー:
CD・DVD・ブルーレイ##CD##クラシック